AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)について解説
ASTの基準値は?
男女とも 13~30 U/L (共用基準範囲)
※共用基準範囲は日本臨床検査標準評議会(JCCLS)が設定した日本国内の医療機関
で共通して利用されている基準範囲です。
ほとんどの病院がこの基準範囲を設定していると思いますが、病院の方針によっ
ては独自の基準範囲定めている場合もあります。
ASTが高いor低いとどうなの?
高値: 肝疾患(肝炎、肝硬変、肝臓がんなど) 心疾患(心筋梗塞など)
筋肉の損傷(筋肉炎、外傷など) その他(膵炎、腎不全など)
低値: 通常、臨床的に重要な問題を示すものではありませんが、
ビタミンB6の欠乏症などが原因で低下することがあります。
ASTの結果に影響を与える要因は?
溶血:原因は様々ですが、主に採血時の技術的問題などにより起こります。
赤血球が破壊されることにより、赤血球中のASTが放出さることで
見かけ上値が高くなってしまいます。
激しい運動後:骨格筋からASTが放出され見かけ上値が高くなります。
採血の前日などは控えましょう。
ASTとは?
ASTとはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼといい、アミノ酸の代謝に関与する酵素の一つです。
昔はGOT(グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ)と呼ばれていました。まだこの表記の病院もあるかもしれません。
アスパラギン酸とα-ケトグルタル酸という化学物質との間でアミノ基の転送を
行います。この反応は、アミノ酸代謝、エネルギー産生、そして細胞内での多くの重要な生化学的プロセスに関与しています。
主に肝臓、心臓、筋肉、腎臓、血球などの細胞に存在しており、これらの臓器や組織が傷つくと、ASTが血液中に放出されます。
あくまで臓器が傷害を受けている指標ですので機能障害は別の検査項目で確認します。
まとめ
AST(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)は、アミノ酸代謝に関与する重要な酵素であり、その血中濃度は健康状態を示す重要な指標です。特に肝臓や心臓、筋肉に関する疾患の診断やモニタリングに使用され、異常値が検出されると、医師はさらなる検査や治療を検討することができます。ASTの測定は、早期に病気を発見するための重要な手段であり、定期的な健康診断でその結果をチェックすることは非常に大切です。
ASTの異常値に気づいた場合は、早期に医師に相談し、必要な検査を受けることが重要です。
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